腸内環境をよくするもの、というと乳酸菌と並んで有名なのがオリゴ糖ではないでしょうか。
スーパーやドラッグストアでもよく見かけますし、1度は手に取ったこともある、という方も多いのではないでしょうか。
そんなオリゴ糖と腸内環境の関係をご紹介したいと思います。
オリゴ糖とは
オリゴ糖とは、玉ねぎやアスパラガス、ゴボウなどの野菜やバナナやリンゴなどの果物に含まれている糖の一種です。
炭水化物のブドウ糖やお砂糖などと違い、小腸で吸収されずに大腸まで届きます。
小腸で吸収されないので血糖値を上げにくいのに、甘味があり手作りのスイーツやドリンクにも使えるのでダイエットにもなるスグレモノなんです。
オリゴ糖の種類
オリゴ糖には約20ほど種類があり、それぞれ少しずつ効果やカロリー、甘味の度合いなどが違います。
種類 | 特徴 | カロリー | 甘味 |
---|---|---|---|
フラクトオリゴ糖 | アスパラガスや玉ねぎ、ハチミツなどに含まれるオリゴ糖で、オリゴ糖シロップなどにも使われているとてもメジャーなオリゴ糖です。 腸内環境を整えて便秘を解消したり、血糖値の上昇を抑制したり、ミネラルの吸収を促進する効果があります。 |
お砂糖の半分 | お砂糖の約60% |
乳菓オリゴ糖 | サトウキビに含まれるショ糖と牛乳に含まれる乳糖を原料に作られたオリゴ糖で、便秘解消効果が強く、カロリーも低いのでダイエット向きです。 オリゴ糖の中で最も甘味が強いオリゴ糖です。 |
お砂糖の半分 | お砂糖の60〜80% |
大豆オリゴ糖 | 大豆に含まれるオリゴ糖で、豆腐や納豆、豆乳などに含まれています。小腸でも吸収されてしまうので、大腸に届くのは少ない量ですが、少量でも腸内の善玉菌を増やす効果が強いため、他のオリゴ糖同様、便秘解消効果など期待できます。 | お砂糖の半分 | お砂糖の約70% |
ガラクトオリゴ糖 | 母乳や牛乳などに含まれていて、乳糖からつくられるタイプのオリゴ糖です。 腸内環境を整えるだけでなく、ミネラルの吸収を高めたりタンパク質の消化、脂質代謝を促す効果があります。 |
お砂糖の1/4 | お砂糖の約25% |
キシロオリゴ糖 | タケノコやトウモロコシに含まれる食物繊維をキシランという酵素で分解して作られるオリゴ糖です。 少量でも腸内環境を整える効果が高いため、お菓子や食品にもよく使われています。 |
お砂糖の半分 | お砂糖の約50% |
オリゴ糖が便秘に効く理由
オリゴ糖は小腸では吸収されずそのまま大腸に届いて腸内のビフィズス菌や乳酸菌のエサとなります。
ビフィズス菌や乳酸菌は糖分をエサにして酢酸や乳酸を出し、腸内を酸性に保ちます。
腸は酸性に保たれると動きが活発になるので、便秘が解消されやすくなります。
また、腸内が酸性に保たれると悪玉菌が繁殖するのを防ぐことができるので、より腸内環境をいい状態に保つことができます。
オリゴ糖のその他嬉しい効果
ダイエット効果
オリゴ糖は大体お砂糖の半分のカロリーですが、小腸で吸収されないのでほとんど糖分としてのカロリーは吸収されません。
そのため、普通のお砂糖よりも太りにくく、ダイエットにつながります。
コーヒーに入れるお砂糖をオリゴ糖にしたり、手作りのお菓子、お料理に使う甘味料をオリゴ糖にするだけで、カロリーカットにつながりダイエット効果があります。
美肌効果
腸内環境が悪化すると、悪玉菌が出す有害物質が血液に溶けて全身を巡り、肌荒れやニキビの原因となってしまいます。
オリゴ糖によって腸内環境が整うと、老廃物がしっかり排出されるうえ、悪玉菌の量も減らすことができるので、美肌効果も期待できます。
虫歯になりにくい
普通のお砂糖は、虫歯の原因となるミュータンス菌のエサになると言われています。
しかしオリゴ糖はこのミュータンス菌のエサにならないので、虫歯になりにくく、お子さんにもおすすめなんです。
甘いものをよく食べていて虫歯になる、という方は使っている甘味料をオリゴ糖にするだけで虫歯予防になります。
オリゴ糖の摂取量や摂取するタイミング
オリゴ糖の摂取量の目安は、だいたいスプーン1杯程度です。
コーヒーに入れたりお料理に使うとすぐスプーン1杯使えるのではないでしょうか。
逆に、それ以上たくさん摂りすぎても、毎日こまめに摂取することのほうが大切です。
一度にたくさん摂るのではなく、スプーン1杯を毎日摂るようにしましょう。
摂取するタイミングは、いつでも大丈夫です。
食事中に摂ることでよりしっかり腸に運ばれやすくなるので、食事に使ったり食後のコーヒーに入れるのがおすすめです。
オリゴ糖でなかなか効果が出ない時は
オリゴ糖は便秘薬などと違って効果が出るまで少し時間がかかります。
まずは1ヵ月ほど続けて様子を見てみましょう。
また、オリゴ糖さえ摂っていれば便秘が解消されるというわけではなく、便秘を解消するには便のカサを増やして腸の動きをよくする不溶性食物繊維や、便の水分量を上げて柔らかくする水溶性食物繊維などの摂取も欠かせません。
菓子パンやおにぎり、パスタ、ラーメン、うどんなどの炭水化物に偏った食生活だと、食物繊維の摂取量が足りずどうしても便秘がちになってしまいます。
オリゴ糖を摂っているから大丈夫!というわけではなく、まずは基本となる食物繊維をしっかり摂取し、そのうえで腸内環境を整える乳酸菌やオリゴ糖を摂るのがおすすめです。