腸内環境を整えるには、乳酸菌を摂取することも大切ですが、食物繊維の摂取も腸内環境の改善にかなり大きく役立ちます。
日本人は平均して毎日4〜6gの食物繊維が不足していると言われていて、その食物繊維の不足によって便秘に悩まされる人が増えています。
そこで、食物繊維と腸内環境についてご紹介していきたいと思います。
食物繊維とは
食物繊維には大きく分けて2種類あり、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があります。
水に溶ける水溶性食物繊維はネバネバしているものに多く含まれていて、不溶性食物繊維は繊維質な触感があるものに多く含まれています。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維はオクラやめかぶなどのネバネバしたものに多く含まれています。
この水溶性食物繊維は保水性が高く、腸の中で便に水分や柔らかさを与えてスルッと出しやすくしてくれます。
いつも便が硬くなりやすい、という方は水溶性食物繊維を積極的に摂ることをおすすめします。
また、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサにもなるため、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれます。
腸の中には善玉菌と悪玉菌、日和見菌の3種類の菌がいます。
そのうち約7割が日和見菌で、残りの3割を善玉菌と悪玉菌が勢力争いしています。

日和見菌はとてもフラフラした菌で、善玉菌が多い時は善玉菌の見方をして善玉菌と同じような働きをしますし、悪玉菌が多い時は悪玉菌と同じような働きをします。
つまり、善玉菌が多いと7割もの日和見菌は善玉菌の見方をし、悪玉菌が増えると一気に腸内環境が悪くなるんですね。
腸内環境を整える上で、善玉菌を増やすことは欠かせません。
水溶性食物繊維はこの善玉菌のエサとなって善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果があるんですね。
水溶性食物繊維が多い食べ物
オクラ、めかぶ、なめこ、里芋、長芋、アボカド、わかめ、海苔、ごぼう、明日葉、納豆
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維はサツマイモや大根などの、舌触りがザラザラした繊維質のものに多く含まれています。
不溶性食物繊維の特徴は、水分を吸って膨らむことです。
水分を吸って膨らむことで便のカサを増し、腸を刺激して排便を促す効果があります。
そのため、腸の動きが鈍くなって便秘になっている方は積極的に摂りたい栄養素です。
女性の便秘の8割は弛緩性便秘といって、腸の動きが鈍くなることで起きる便秘と言われています。
それには運動不足や、ダイエットによる食事量の減少などもありますが、不溶性食物繊維の摂取量も気をつけたいところです。
不溶性食物繊維の多い食べ物
サツマイモ、大根、こんにゃく、おから、アーモンド、えのき、エリンギ、ひよこ豆、干し柿、小豆、玄米、納豆、ごぼう
理想は1:2
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も、どちらか一方だけ摂っても便秘を解消するのは難しいです。
お通じをよくするには、便に適度な水分量がないとスムーズに出せませんし、便のカサが少ないと腸の動きが悪くなるので排便を促せません。
理想の摂取量の目安は、水溶性食物繊維:水溶性食物繊維=1:2です。
日本人の1日の食物繊維摂取目安量は、女性で17g、男性で19gと言われています。
しかし、実際には男女とも14gにも満たないのが現状です。
これは食生活が欧米化したことが主な原因です。
足りない分を毎日摂るには、
- 主食を玄米や雑穀米などにする
- 野菜やきのこ、海藻などを積極的に食べる
- おやつは菓子パンやクッキーではなく、食物繊維の多い高カカオのチョコやドライフルーツ、ナッツにする
というようなことがおすすめです。
それでも足りない時は、粉末タイプの食物繊維などもうまく活用することで、手軽に食物繊維を摂れます。