乳酸菌を積極的に摂取する方の多くが、便秘解消目的ではないでしょうか。
便秘による肌荒れや口臭など付随するものを改善したい場合もあるかもしれませんが、お通じをよくしたい、というのが基本にありますよね。
しかし稀に乳酸菌を摂取しているのに、逆に便秘になってしまった、という方がいらっしゃるようです。
そんな、乳酸菌を摂ると逆に便秘になってしまう理由をいくつかご紹介したいと思います。
乳酸菌の摂りすぎってあるの?
まず、乳酸菌の摂取量についてですが、「摂りすぎる」ということはあるのでしょうか。
便秘の解消目的で乳酸菌を摂る場合、1日に1兆個の乳酸菌を摂るのが理想と言われています。
市販のヨーグルトだと、小さいカップのもので10億個〜100億個入っています。
100億個入っていたとしても、1兆個摂ろうと思うと100個も食べなければいけません。
ヤクルトなどの乳酸菌飲料も、1番乳酸菌の数が多いもので400億個なので、30本飲んでやっと1兆個に届きます。
食品や飲み物だけで、日頃から乳酸菌を摂りすぎる、というのはちょっと難しそうですよね。
乳酸菌サプリメントなどでは、1日に1兆個摂れるものもありますが、用法容量を守れば食生活と合わせても摂りすぎるということはほとんどなさそうですよね。
仮に摂り過ぎたとしても、副作用など体に負担がかかることはありません。
乳酸菌をたくさん摂ったから、という純粋な理由だけで便秘になることはまず考えられないんですね。
乳酸菌で逆に便秘になる理由
では乳酸菌を摂ることで逆に便秘になってしまうのにはどのような理由があるのでしょうか。
理由1.水分不足
乳酸菌を摂取することで腸内環境が整い、腸のぜん動運動が促されます。
そうすると腸の動きが活発になりますが、腸は水分を吸収する力が強いので、活発になるほど水分がしっかり吸収されていきます。
水分が吸収されることで便の水分量が減り、硬く小さくなって詰まりやすくなります。
理由2.乳製品が体質に合わない
日本人はもともと乳製品を口にする習慣がなかったため、乳製品に含まれる乳糖という成分を消化する酵素を持っていない人がほとんどです。
酵素がなく消化できないと、未消化のまま腸に運ばれてしまい、ヘドロのように腸にへばりついて便秘を引き起こしたり、下痢を引き起こしたりします。
乳酸菌を摂るために、ヨーグルトやチーズ、乳酸菌飲料などを使用している方は、乳製品が体質に合っていない可能性があります。
理由3.食生活の変化
これはあまりないと思いますが、乳酸菌を摂ることで、「乳酸菌を摂っているから大丈夫だろう」と少し気が緩み、食生活が乱れがちになっているパターンです。
今までは食物繊維が豊富な野菜やこんにゃくなど意識して食べていたのに、乳酸菌を摂りはじめてからはお肉や炭水化物に偏った食生活になっている、ということはないでしょうか。
特に食物繊維、なかでも不溶性の食物繊維は便のカサを増やす大切な役割を担っていて、これがないと便が小さく硬くなってしまい詰まりやすくなってしまうので、食物繊維の摂取量が減っていないかは確認する必要があります。
乳酸菌はたくさん摂ったらすぐに効果が出るものではなく、毎日こまめに摂ることが大切です。
乳酸菌を摂りはじめたからといって、食生活を乱してしまわないに気をつけましょう。