認知症の高齢者が便秘になりやすい理由と解消法

認知症

認知症は今の日本では、65歳以上の10人に1人がかかると言われているとてもメジャーな病気ですが、
認知症患者の死因のほとんどが、排尿や排便が上手くできなくなることにあります。

認知症患者の中で便秘薬や下剤を飲んでいない人はいない、と言ってもいいくらい、便秘になる確率が高く、
その便秘が死因に繋がるのは少し怖いですよね。

また、一見あまり関係がなさそうな認知症と便秘ですが、実は深い関係があり、認知症患者の便秘を解消することは、徘徊や暴言などの認知症の症状を抑える効果もあるんです

そこで、認知症患者が便秘になる原因や、便秘を解消することのメリット、上手な解消法などご紹介したいと思います。

認知症の高齢者が便秘になる原因

認知症、というのはある日突然何もできなくなったり、人や物の認識ができなくなるわけではありません。
認知症には段階があり、最初はちょっとした物忘れや倦怠感などから始まりますが、次第に相手が誰か分からなくなったり、上手く言葉が出てこなくなったりします。

そういった過程を経ていく中で、次第に便が出ないことが便秘、ということが分からなくなっていきます。
普通であれば何日も便が出ていない、お腹が苦しい、といった症状を便秘と判断し、何か薬を飲んだり食生活を変えたり対処していけますが、認知症になるとそれが便秘ということが分からなかったり、便秘であってもそれを周りの人に上手く伝えられなかったりします。

そうすると、よくわからないけどお腹が張って苦しい、お腹が痛い、といった不快感で眠りが浅くなったり、イライラ感が募ったりして、徘徊やパニック、暴言、暴力などの行動に繋がると言われています。
特に徘徊に関しては、便秘によって眠りが浅くなるため、夜中や朝方に目が覚めてしまい、お腹の不快感を何とかしようと歩き回ってしまうんです。

認知症でなければ、それが便秘によるもので、便秘を解消すればいいと分かりますが、認知症になるとなんでお腹に不快感があるのかも分からないし、それをどうしたら解消できるのかも分からないので、そういった行動に繋がってしまうのですね。

認知症の高齢者の死因は便秘にあり!?

認知症の高齢者の死因は、脳梗塞や動脈硬化などではなく、その多くが便秘によってお腹に老廃物や腐敗ガスが溜まりやすくなり、さらに排便や排尿のコントロールが困難になることで、膀胱炎腎盂腎炎などの尿路感染が起こりやすくなり、これが原因で全身性の敗血症を起こすことにあります。

もしくは、体が衰弱し唾液や食事が気管や肺に入ってしまうことから、嚥下性の肺炎になり死に至るというケースも多いです。

そのため認知症の高齢者の便秘を解消することは、死亡のリスクを下げるだけでなく、徘徊やパニック、暴言などの症状を抑えることにもつながるため、介護をする側の負担もかなり減らしてくれる効果があるんです。

認知症の高齢者の便秘を解消するには

では認知症の高齢者の便秘を解消するにはどうしたらいいでしょうか。
一般的には便秘薬や下剤の使用、浣腸が用いられますが、これらの便秘解消方は腸内の善玉菌も強制的に外に出してしまうことから、更なる便秘を招いたり、薬や座薬、浣腸がないと便秘が解消できなくなるということにも繋がります。

また、薬を用いることで腹痛が起こった場合などは、パニックなどの症状を悪化させてしまうこともあるので、とても注意が必要です。

もちろんそういった薬を使用しないと、便秘が解消されず本人も周りも苦しい、という場合には使用したほうがいいですが、やはり普段の食生活をもう一度見直すことで解消していくのが1番です。

高齢になると腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が優勢になってしまうことから、どうしても便秘になりやすくなってしまいます。
そこで、腸内の善玉菌を増やす乳酸菌や善玉菌のエサになるオリゴ糖を摂り便秘を解消していくのがとてもおすすめの方法です。

善玉菌が増えて腸内環境が整うと、自然と腸の動きが活発になり便が運ばれやすくなります。

また、高齢になるとどうしても食事量自体が減ってしまうため、便の材料になる食物繊維と水分もしっかり摂るようにしましょう。

食生活を改善していくのがなかなか難しい場合は、飲み物に乳酸菌やオリゴ糖の粉末を溶かしたり、食物繊維の粉末を溶かすのも簡単でおすすめです。
食事で好き嫌いがある方も、粉末タイプのものやサプリメントであれば摂りやすいですよね。

認知症を治す薬や治療法はまだ確立されていませんが、便秘解消を意識していくことで介護をする側の負担を減らす効果があったり、死亡リスクを下げる効果もあるので、積極的に改善していきたいですね。