便が硬いと、お腹が詰まって便秘になりやすいだけでなく、排泄の時に肛門を傷付けて痔になってしまったりして大変ですよね。
そんな硬い便の原因と、解消法などご紹介していきたいと思います。
硬い便の原因
便が硬くなるのにはいくつか原因がありますが、最も大きな理由は腸のぜん動運動が弱まっていることです。
もちろん、食物繊維を摂って便を柔らかくしたり、水分をしっかり摂ることも大切です。
水分不足だとどうしても便も硬くなりがちです。
しかし1番の大きな理由は、ぜん動運動が弱まっていることにあります。
というのも、食べ物を食べて胃の中で溶けた時はまだ水分が多いドロドロとした状態のものが、小腸や大腸を進むにつれて水分が吸収されて硬くなっていきます。
腸のぜん動運動が適度であればちょうどいい硬さで出てきますが、このぜん動運動が弱いと便の進みが遅くなり、水分がどんどん吸収されてどんどん硬くなってしまいます。

逆に動きが過剰になると水分を吸収する前に通過してしまうため、下痢気味になります。
硬い便を放っておくのは危険
硬い便を放っておくと、腸で詰まって便秘を引き起こしてしまいます。
便秘になると、肛門付近の便秘が蓋となってさらに便秘を悪化させてしまい、便がどんどん硬くなります。
そうすると、排泄の時に肛門を傷付けてしまい、痔を引き起こします。
痔になって痛みを伴うと、さらに排泄が怖くなったり億劫になってしまうので、さらに便秘→痔が悪化というサイクルにはまってしまいます。
また、便秘になると腸の中で便がどんどん腐敗していきます。
そうすると、便が有毒なガスを発生させ始めます。
この有毒なガスは血管から吸収されて全身に巡り、代謝を落として太りやすくさせたり、肌荒れの原因になってしまいます。
この有毒なガスが長く腸に触れていることで、将来大腸がんになるとも言われています。
他にも便秘でお腹が詰まることで、お腹周りの血管やリンパが圧迫され、下半身が浮腫みやすくなります。
浮腫みを放っておくとセルライトの原因になってしまいますし、冷えを招いて代謝を落としてしまいます。
腸のぜん動運動が弱くなる原因
便が硬くなるのは、腸のぜん動運動が弱くなるからとお伝えしました。
では、腸のぜん動運動が弱くなるのは何故でしょうか。
主な原因は、腸内環境の悪化にあります。
腸内で善玉菌が減って悪玉菌が増えると、腸のぜん動運動が弱まってしまいます。
腸内環境が悪くなるのは、
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- 食べ過ぎ
- 食生活の偏り
- 睡眠不足
- 運動不足
などが原因です。
特に食生活は影響します。
動物性の脂質やタンパク質、多すぎる糖質は悪玉菌のエサになってしまいます。
逆に食物繊維やビタミン、ミネラルなどは善玉菌の住みやすい環境を作ります。
糖質や動物性タンパク質に偏った食事、特にファストフードや外食、コンビニ食、レトルト食品などばかり食べていると、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化してしまいます。
腸内環境を改善するには、食物繊維やミネラルの多い野菜、海藻類、善玉菌のエサとなるオリゴ糖が多い大豆製品、善玉菌を増やす乳酸菌が多いお漬物や納豆などの発酵食品、ヨーグルトなどを積極的に摂るのがおすすめです。
下剤に頼るのはNG
下剤も腸のぜん動運動を刺激して便秘を解消するためのものですが、下剤は腸内環境を改善したりせず、腸を無理矢理刺激するイメージです。
そのため腹痛を伴ったり、量が多いと下痢を起こしたりします。
使い続けていると体が慣れてだんだん効かなくなり、自然なお通じを起こすことができない体になってしまいます。
自然なお通じを起こすには、乳酸菌やオリゴ糖、食物繊維を意識的に摂り、腸内環境を改善することを目指しましょう。