ラブレ菌という名前の乳酸菌を知っていますか。
一時期とても流行り、ヨーグルトなどの商品名やキャッチコピーでも使われているため、名前は聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、そのラブレ菌の特徴や働き方までは意外と知らないですよね。
そこで、乳酸菌ラブレ菌の特徴や体への効果などをご紹介していきたいと思います。
ラブレ菌は酸に強い
ラブレ菌が発見されたのは、1993年のことです。ルイ・パストゥール医学部研究センターの岸田綱太郎博士は、京都の男性の寿命が高い、ということから京都の人が長年食べているお漬物についてしらべていました。
すると、お漬物の中でもかなり酸味の強い『すぐき』というお漬物から、ラブレ菌が見つかったのです。
そんな酸味の強い酸性の中でも生きていけるラブレ菌は、人の体内でも胃酸や胆汁に負けず生きて腸まで届くことが分かったんです。
元々お漬物や味噌などに繁殖する植物性の乳酸菌は、塩分濃度の高い酸性の状況下でも繁殖できることから、胃酸などにも強い性質がありますが、ラブレ菌はその中でもさらに強いんですね。
ラブレ菌の体への効果
腸内環境改善
ラブレ菌は生きて腸に届くことから、腸内環境を整える効果があります。
乳酸菌というのは、野菜や果物、国もなどに含まれる糖質をエサに乳酸を作り出すことから乳酸菌と呼ばれますが、この乳酸には腸を酸性に保ち、悪玉菌や病原菌を殺菌するチカラがあります。
また、乳酸には腸を刺激する作用もあるので、便秘を解消する効果もあります。
さらに、植物性乳酸菌はデキストリンという多糖類を作り出しますが、これは腸内で食物繊維と同じような働きをします。
そのため、便秘を解消したり腸内の老廃物を外に出してデトックスする効果があります。
免疫力を高める
いつも風邪をひいたり、よく体調を崩す方っていますよね。
それは、免疫力が低下しているからなんです。
ウイルスや病原菌などは、自然界にたくさん存在しているため、どうしても体内に入ってきてしまいます。
それが体内のどこかで増殖し始めると風邪やインフルエンザなどが起きますが、そんな時に免疫力が高まっていると、すぐにウイルスや病原菌を見つけてやっつけてくれます。
このウイルスや病原菌をやっつけるのがNK細胞(ナチュラルキラー細胞)と呼ばれる細胞ですが、ラブレ菌にはこのNK細胞を活性化する効果があるんです。
そのため、体内に色々な病原菌が入ってきたとしても、病気を発症しにくい強い体になることができるんですね。
ガンを予防
ナチュラルキラー細胞には、病原菌をやっつけるだけでなくガン細胞も攻撃してくれるという効果があると期待されています。
そもそもガンというのは、細胞が異常増殖してしまうことが原因です。
細胞は一定のペースで増殖したり減少しているのが普通ですが、腸内環境が悪化して発生した有害物質などが細胞の遺伝子を傷付けると、異常増殖をしてしまいます。
その増殖した細胞が腫瘍となって、ガン組織となります。
ガン組織は周りの正常な細胞の栄養を吸い取って使ってしまうので、正常な細胞がどんどん衰弱してしまい、健康を保てなくなってしまうんですね。
ナチュラルキラー細胞にはガン組織になる前のガン細胞を攻撃し、ガン組織ができるのを予防してくれるのでは、ということが期待されています。
まだまだ研究途中ですが、ガン細胞と闘えるということが分かれば、さらに積極的にラブレ菌を摂っていきたいですね。
アレルギー症状の緩和
ラブレ菌だけでなく植物性乳酸菌に多い効果ですが、アレルギーの症状を緩和する効果もあります。
アレルギーの症状が出るのは、免疫細胞がアレルゲンを攻撃する時に出すlgE抗体という物質が原因です。
ラブレ菌にはこのlgE抗体を減らす作用があるので、アレルギー症状を緩和する効果があります。