痒い痒い膣カンジダ。
女性4人のうち3人が経験すると言われているとてもポピュラーな病気で、再発しやすく何度も悩まされる女性が増えています。
痒い場所が場所だけに病院に行くのが恥ずかしく、市販の痒み止めを塗って我慢する方も多いですが、実はそんな膣カンジダに乳酸菌が効くという研究結果があるんです。
そこで、膣カンジダの原因や症状、乳酸菌が効く理由、おすすめの乳酸菌など合わせてご紹介していきたいと思います。
膣カンジダって何?
膣カンジダとは、もともと膣の中や小腸の中にいるカンジダというカビの一種が繁殖することで起きる病気です。
膣の中にカビがいるなんて!とビックリされる方もいますが、カビにも色々あり、人の体内や皮膚にも色々なカビが住み着いています。
カビにも種類があり、食べ物を腐らせるようなカビだけではなく、お肌を守ったりするいいカビもたくさんいます。
カンジダ菌は普段は特に悪いことをするカビではありませんが、悪玉菌の一種で、免疫力が低下していたり善玉菌が減ってしまうと、急に勢力を増して増えていきます。
カンジダ菌は炭水化物をエサとして分解しますが、その時に出るアルコールやガスに有毒物質が含まれていて、それが様々な症状を引き起こします。
膣カンジダにかかりやすい時
膣カンジダは、膣内の善玉菌が減ったり抵抗力が低下している時に発症します。
主に
- ストレスが溜まっている時
- 睡眠不足の時
- 生活リズムが乱れている時
- 風邪や病気により抗生物質を飲んでいる時
- ピルを常用している時
などに発症しやすくなります。
抗生物質は病原菌を殺す作用もありますが、同時に体にとって必要な善玉菌も殺してしまいます。
しかしカンジダ菌は抗生物質に強いため生き残り、善玉菌が減った環境下で急速に繁殖してしまうんですね。
そもそも抗生物質を飲まないといけない状況(風邪や膀胱炎など)自体が、免疫力が低下している状態なので、膣カンジダにもかかりやすくなります。
管理人は昔ピルを飲んでいましたが、その時は膀胱炎になる→抗生物質を飲む→カンジダになる、というサイクルが3ヶ月に1回くらいのペースで起きていました…
また、妊娠するとホルモンバランスが変わるため、膣カンジダにかかりやすくなります。
妊娠中のカンジダを放っておくと、赤ちゃんが産道を通る時に口内に感染してしまい大変なことになってしまいます。
妊娠したら膣カンジダにかかっていないか検査し、出産までにきちんと治しておきましょう。
膣カンジダの症状
膣カンジダになると、外陰部に痒みが生じます。
軽度のものであれば市販の塗り薬で抑えられる程度の痒みですが、だんだんと我慢できない痒みや、悪化すると痛みに変わってきます。
鏡で見ると赤く炎症しているのが確認できます。
また膣カンジダの症状の特徴として、膣の中からカッテージチーズのような白いモロモロとしたオリモノが出ます。
性交時に痛みを感じるようにもなります。
男性への感染に注意
膣カンジダは性交渉がなくても発症する病気ではありますが、女性が放っておくと男性に感染する場合があります。
男性に感染した場合、症状としては性器への痒みや痛み、性器表面の乾燥などが見られます。
また恥垢や白いカスがでるという症状もあります。
男性の場合、性交渉の後シャワーでしっかりすすげば女性から感染することは少ないですが、万が一感染した場合、男性も治療をしないと女性とうつし合ってしまい、お互いなかなか治らない…ということになってしまいます。
また、カンジダは口内にも感染することがあり、感染したあと放っておくと肺の中にカンジダ菌が繁殖し、肺炎を起こすこともあります。
パートナーがカンジダになった場合、あわせて男性も感染を疑うようにしておきましょう。
膣カンジダに乳酸菌が効く理由
そんな膣カンジダに、乳酸菌が効くと言われているのはなぜでしょうか。
乳酸菌を口から摂取しても、膣には届かないのであまり意味がなさそうにも見えますよね。
しかし体の免疫力というのは腸内環境に70%~80%かかっています。
そのため乳酸菌を摂り腸内環境を整えることで、体自体の免疫力を上げ、カンジダ菌が繁殖するのを抑えることができるんです。
膣の中にはデーデルライン桿菌という乳酸菌が住んでいて、普段はこのデーデルライン桿菌が悪玉カビの繁殖や外界からの微生物の侵入を防いでくれています。
しかしこのデーデルライン桿菌はホルモンバランスの影響を受けやすく、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れによって働きが弱まってしまいます。
乳酸菌をしっかり摂り、体の免疫力を上げておくことは、デーデルライン桿菌の活動を活発に保つ効果があるので、カンジダにかかりにくくする効果があるんですね。
膣カンジダにおすすめの乳酸菌
乳酸菌を摂ることで膣カンジダや細菌性膣炎に効く、という研究は様々なところで行われています。
乳酸菌をたくさん摂り腸内環境を整えることは、カンジダだけでなく様々な病気を予防する効果がありますが、中でも膣カンジダに効くとされいる乳酸菌が2つあります。
アシドフィルス菌
アシドフィルス菌は腸内にもいる乳酸菌ですが、口内や生殖器にもいて、悪玉菌や悪玉カビ、病原菌の繁殖を抑える働きを担っています。
そのためアシドフィルス菌をしっかり摂ることで、カンジダの発症を抑えたり症状を軽減することができます。
膣カンジダを繰り返す女性にアシドフィルス菌入りのヨーグルトを食べてもらったところ、腸内環境の改善と膣カンジダの症状が軽快した、という研究結果もあります。
PL乳酸菌
PL乳酸菌は腸まで生きて届くタイプの乳酸菌で、生殖器にいるわけではありませんが、腸内環境を整える効果が高い乳酸菌です。
アシドフィルス菌よりも間接的に働きかける乳酸菌ですが、NPO法人国際保健協会も膣カンジダにはPL乳酸菌の摂取を推奨しているくらい信頼度の高い方法なんです。
ヨーグルト療法とは?
乳酸菌を口から摂取することでも膣カンジダの軽快には効果がありますが、民間療法として、ヨーグルトを直接幹部に塗る方法があります。
あくまで民間療法ですが、この方法を推奨している医師もいるほどで、実際にカンジダにかかった妊婦さんにハチミツヨーグルトを患部に塗ってもらったところ、抗真菌薬よりも効果があったという研究結果もあります。
やり方としては、小さじ1杯程度のヨーグルトを患部に優しく塗ります。
ヨーグルトは加糖されているものだと糖分がカンジダのエサになってしまうので、無糖タイプを選びましょう。
症状がひどい場合は病院へ
ヨーグルト療法は効果のある民間療法ですが、陰部の痒みはカンジダ以外の病気が潜んでいる可能性があります。
カンジダ菌が繁殖しやすくなっている環境というのは、他の病原菌も繁殖しやすい環境になっています。
特にクラミジアは不妊症になる可能性のある性感染症ですし、尖圭コンジローマには子宮頸がんになる可能性もあります。
なかなか痒みが治まらない場合や、痛みがある場合、オリモノの状態がいつもの違う時はきちんと病院に行って検査をしましょう。